なると工業 四国の3番目の快進撃


大多数のメディアが付けたランクはC。
とはいえ、ブロックは最も地味なラッキーゾーン
正直、ベスト8までは行くだろうと思っていたが。

わしが優勝候補にぶちあげたとたんに関西を破ってしまった準決勝。
(わしは呪術者なのだろうか)
延長にもつれこんだ今大会ナンバー1のゲームを制し、
優勝した報徳学園を喰って裏の主役となった。

かつては1988年の宇和島東が、
そして95年の観音寺中央がなしとげたノーマークからのセンバツ制覇。
今年準優勝の鳴門工
この3チームは、いずれも前年秋の四国ベスト4である。

四国ブロックから選ばれるのは3つである。
3番目はベスト4の2チームのどちらかであるわけだが、
秋季大会終了から翌年2月の選抜校発表までの長い期間、
彼らは「当確」ではない不安定な状態に置かれている。

こうした境遇を逆にチーム力のレベルアップに結び付けられた場合、
下馬評の低さとあいまって
春の快進撃がうまれるのかもしれない。

鳴門工は、この冬でゲームを壊さない堅さを手に入れたのだ。

劣勢ともいわれた初戦(酒田南戦)では、
終盤に守って次の回の攻撃のリズムをつくり、
逆転につぐ逆転で制する。

2回戦、浪商との一戦では最終回、同点走者を刺したライトからの好返球。

準々決勝では相手サウスポー(横手)をゲシュタルト崩壊に追い込んだ
左打者陣による嫌がらせベース際よりより攻撃の徹底。

準決勝。チーム力の全てを尽くして
自力で上回る相手を、最後の最後まで封じ込めた。
昨年の夏、外野手の頭を次々に越された丸山のカーブも
冬を経てレベルアップしていたのだ。

こうしたチームが数年に1度は出てくる。だからセンバツは面白い。