星野フィーバーの裏側

開幕四連勝。
阪神が負けない。
ノムノム更迭→星野入団からはじまるストーリーには、まだまだ続きがあるらしい。

球団が描いた交代劇のシナリオ。そのはまりっぷりは見事なものだった。
としても、
わずか三ヶ月でチームの色を塗り替えた星野の手腕には驚嘆を禁じ得ない。

星野は狡猾にして誠実である。
現役時代から、長嶋を敵視する姿勢を見せることで自分に注目を集める。
テレビをうまく利用して、カリスマにのしあがったのは
長嶋と同じ戦略である。
そんなことからも、マスコミから長嶋難民の救済先として期待される星野。
しかし、ベンチにいながらにして超一流の解説者であった長嶋と、
星野は根本からして異なる。

明治大学でその昔、御大と呼ばれた名監督嶋岡。
ファンだけでなく選手の脳味噌にもきざまれる鬼監督のキャラクター。
戦いの場では豹変し、勝つことに全てを優先させる。
飴と鞭を使い分け、選手を心酔させる。

星野は一貫して、この単純明快な嶋岡の手法を
誠実に受け継いでいるのである。
古き監督像。いまや、他のどの監督をもしのぐ。

ならば何故これがいまの阪神に合致し、ノムノムは受け入られなかったのか。
答えはかんたん。阪神の選手がが現場指揮官像として求めていたのは
わかりやすいイケイケ上司なのだ。
ノムノムの教えが今の阪神のベースにあることは疑う余地も無いが、
彼のようなうんちく型の指導者は
シンプルな関西のお笑いにはマッチしていなかったということなのである。

そう、
星野には壮大なオチが期待されているのだ。