次回、一打数二安打三打点VS一二三

土岐市内に住むことになってはや1年半。我が家のある泉町では毎年町内草野球トーナメントが開催され、町内のだいたいの大人(いい歳こいた大人)が細かい丁目ごとのチームに分かれてだいたい参加する、そんなところ。
わしも去年今年と参加させていただいた。内野を鉄壁のアラウンド団塊世代が占めるチームだが、守備の要の捕手は土岐商OBのガチムチ兄さんで、「人間力」と書かれた意味不明の練習用Tシャツでいつも快打を放っております。兄さん(注:年下です)の後ろの打順の試合は、気楽に打てて調子がよいのです。
その土岐商ですが、町内の他チームにも続々とOBを主力に送り込んでおりまして、トーナメントを勝ち進むとたいていの相手は主力が「人間力」です。いやいや、だからなんだよ人間力て。消臭力みたく実は「リキ」読みするとか。しかし、謎Tシャツ軍団はみな野球を楽しんでいて、礼儀も正しく、試合に勝っても負けても気持ちが良い。なるほど人間力すげえ。
土岐市民の野球ラブは、土岐商を中心に生産され消費されているんだなと。小さい町ですが、住民のみなさんと土岐商のつながりは、とても深い。そんなところ。
さてその土岐商が甲子園に出ました。5年ぶり3回目です。
今年の岐阜大会は、昨夏全国ベスト4(なんで準決勝で負けたのかよく分からん)かつ今春東海大会優勝の県岐阜商と、今年センバツベスト4の大垣日大の2強対決と言われていました。
岐阜の高校野球は長らく全国大会では低迷していましたが、岐阜城北が伊藤凖を擁して2006年のセンバツベスト4に勝ち上がったのを皮切りに、大垣日大も2007年に初出場でセンバツ準優勝+夏ベスト8。東邦時代を知る者として、丸くなりすぎた鬼の阪口にびっくりしましたが、間違いなくここ数年の岐阜の高校野球のレベルアップは藤田監督(岐阜城北県岐阜商)と阪口監督の2人が牽引していると言えます。
事実、2強は準決勝で激突し、7回まで0―0の息詰まる死闘となりました。好左腕、葛西から県岐阜商が8回に1点をもぎ取り、決勝進出。かたや土岐商は、反対側のやぐらをするするーっと勝ち抜け。決勝の一発勝負で県岐阜商に先制攻撃大成功で逃げ切っちゃったもんだから、(主にネットで)「土岐商空気嫁」「土岐ってどこだよ」「甲子園未勝利とかお呼びでないわ」「名前が岐阜とややこしわ」とかさんざん言われたとかなんとか。豆知識だが土岐と言う地名は岐阜より古いのだぞい。
さてその土岐商が試合をしました。今朝の第一試合です。
相手は八あたまこと鳥取の雄、八頭。栃木キラーとして名高い、八頭。近年では鳥取県勢の勝ち星を唯一ゲットしてくれる(主に栃木から)存在として、郡部にありながら一目置かれていたりいなかったりしそうな、八頭。
かたやこちらは、県大会をリアルタイムでは見ていなかったので、今日見てあらためて思ったがとにかくちっこい!身長がMAXでも173cm(週刊朝日増刊による)で、平均160台後半。あれか、土岐は種島先輩の末裔が住むのか?それともこれが人間力か。むしろ人間力ホビットをカバー。そうなんですか工藤監督。
わしの高校時代の同期衆もピッチャー以外(わし含む)ホビット揃いだったので親近感湧きまくりです。甲子園は身長じゃないんだ。
試合といえば、前半から八頭の内野陣がポロポロ。ことごとく、それを得点に結び付ける土岐商が小刻みに追加点を奪っていく展開。途中からはツーランスクイズ決めるわ、センターオーバー2点打を打ったと思ったら直前にタイムかかっていたので打ち直しついでに投手交代したらまたライト前で実質一打数二安打三打点(しかも二投手から)とか、もうやりたい放題(八頭にしてみりゃやられっぱなし)でしたね。コンパクトかつ確実な土岐商の振りの鋭さばかりが目立ちました。守備の状況判断もよかった。
あと、エース前田君は投球間隔が短く、八頭の打者衆に余裕を与えていませんでしたね。ちょっと茶汲みに行ってる間にフルカウントとか笑えた。というかキャッチャーの返球が早すぎるのか。これも戦術として有効でしたね。しかしモーション盗まれまくりだったのが気になります。控えの西尾君は勢いだけでガンガン投げてた印象。監督にそうしろと言われたのでしょう。直球が外角低目にビシバシコントロールできれば、そうそう打たれないような気がします。矢田弟は投げなんだねえ。
ともかく、土岐商の新たな歴史となる甲子園初勝利おめでとう!じっくり見られて眼福でした。
土岐商の野球には落ち着きとしたたかさを感じました。2強および東海勢の近年の好成績が、岐阜県全体のレベルアップに繋がっているような印象も受けます。やっぱ高校野球は指導者だね。
ちびっこ軍団の次の相手は東海大相模。横手に変えたとかいう一二三投手との対戦です。こちらの先発は緒戦温存した秘密兵器、矢田弟かな。おそらく打撃戦になるでしょうが、勝機はあると思います。大勝からの気の緩みで自分らの攻撃スタイルを見失わないよう、強豪にぶつかっていってほしい。楽しみだが仕事で見れーん