やられっぱなしの人材バンクに、反撃の目はあるのか?

ドラフト制度による機会の平等が巨人を10年後に凋落させ、カープに黄金時代をもたらした。それと真逆のかたちで、90年代以降、徐々にカープが弱体化していった一因が補強制度の自由化(逆指名・FA両制度)であることは間違いない。財力・都市圏規模において劣るカープが獲得競争で不利なのはもはや宿命である。
しかし、こうした不均衡を是正すべきであるとか、不均衡がもたらすリーグ全体へのデメリットとかを球団は広く訴えてきただろうか?否。TV放映権を牛耳る読売に刃向かう姿勢を見せず、サラリーキャップの導入を主張することもなかった。
では財力がないなりに、ファンや有望な人材を引きつける努力があったか?、例えば、5年に1回は優勝争いに食い込めるような長期戦略をもとに戦力を整えてきたか?
わしはいまさら別のチームになびく気力もないのだが、このまま希望なき人材バンクを続けるようでは、こんなアホなファンしか残らなくなる。
古来、日本人は「弱き者が力をつけ、強き者を倒す」物語を好んできた。はっきりいってカープの魅力はそこに尽きる。やられっぱなしでいいのか、戦うことを忘れた球団首脳には目を覚ましてほしい。
幸い、逆指名制度は西武の自爆により一時的に消滅した。またいつ復活するかは分からんが、従来のドラフトのままなら篠田投手を獲れることなどなかっただろう。まさに「これだ…これが逆境だ!!」なカープであるが、この秋が逆襲の足掛かりとなることを、切に願う。