折れたイカロスの翼

福地、右足じん帯断裂 

 福地を支えてきたのその脚。
 塁に立つことで守備側の選手・指揮者に与えられるプレッシャーは限りない。
 足の職人としてはほぼ完成の域に達し、
 打の面でも、振り回すのを捨てて足で稼ぐ打法への転換を図っていた。
 その矢先の、まさに悪夢である。

 今、福地は痛みと悔しさで眠れないのではないだろうか。
 心中を察するに余りある。

 いつまで待てば切れたじん帯は繋がるのだろうか。
 往時のスピードをどこまで取り戻せるのだろうか。
 その頃、はたしてチームは自分を必要としているのだろうか。

だが福地よ。今は体を休める時だ。
待つ時に耐え、書を読み、怪我を乗り越えた先達に学ぶべき時だ。
捻挫でプレースタイルを変えた緒方がいる。
両足を手術した前田がいる。
1年かけても、完全に足に不安がない状態になってから
グラウンドに戻ってきてほしい。
完治までのお前の努力を見ていてくれる人は、必ずいるはずだ。
 
 
 
 
・・・ただ、
代走の切り札が足を故障した当日に
「ほかの選手にとってはチャンス」などと言い放つ監督には
失望せざるをえない。
そんなことは誰も判っているが口にするのは本物のアホである。