折れたイカロスの翼
■福地、右足じん帯断裂
福地を支えてきたのその脚。
塁に立つことで守備側の選手・指揮者に与えられるプレッシャーは限りない。
足の職人としてはほぼ完成の域に達し、
打の面でも、振り回すのを捨てて足で稼ぐ打法への転換を図っていた。
その矢先の、まさに悪夢である。
今、福地は痛みと悔しさで眠れないのではないだろうか。
心中を察するに余りある。
いつまで待てば切れたじん帯は繋がるのだろうか。
往時のスピードをどこまで取り戻せるのだろうか。
その頃、はたしてチームは自分を必要としているのだろうか。
だが福地よ。今は体を休める時だ。
待つ時に耐え、書を読み、怪我を乗り越えた先達に学ぶべき時だ。
捻挫でプレースタイルを変えた緒方がいる。
両足を手術した前田がいる。
1年かけても、完全に足に不安がない状態になってから
グラウンドに戻ってきてほしい。
完治までのお前の努力を見ていてくれる人は、必ずいるはずだ。
・・・ただ、
代走の切り札が足を故障した当日に
「ほかの選手にとってはチャンス」などと言い放つ監督には
失望せざるをえない。
そんなことは誰も判っているが口にするのは本物のアホである。