7位 ゲッツー1個の四番 伝説となった金本


選ばれたものしか達成できない、地味な記録があります。

かつて打撃の神様と呼ばれた打者がいました。
投手上位の時代に、日本最速で2000本安打を達成した
驚異的なバットコントロールを持つ男、川上哲治です。
今となってはその凄さは彼の達成した記録からひもとくしかありません。

なかでも群を抜くのが、1シーズンでの最低三振数記録です。
なんと川上はある年に、6つしか三振をしませんでした。(年度は忘れましたが)
繰り返しますが、そのころは
スタルヒン・別所とか年間30勝以上をあげる投手がゴロゴロいた
投手上位の時代だったのです。

打者上位となった現代においては
216連続打席無三振・連続出塁69のイチローくらいしか、
この川上哲治に肩をならべることができる人はいないと思ってました。

前年に3・3・3を達成し、歴代の大打者に肩をならべた金本。
2001年においては、押しも押されぬ4番としてシーズンを勤めあげました。
これだけでも偉業です。
しかし、まさかこうした「地味だが、選ばれたものしか達成できない記録」にまで
肩をならべることになるとは思いませんでした。

よく考えてみてください。
打席の数が
4ケタを超えるまで
金本は一度も併殺打を打たなかったのです。
草野球の話ではありません。
卓越した技術をもつ内野手をむこうにまわして、
さらにランナーを置いた場に常に対峙せねばならない4番打者として、
この記録を達成したことはまさに奇跡。
金本は、ある意味 神となってしまったのです。

FA資格を得る今年は、移籍がひとつの話題となってます。
しかし、もはや金本がどこへいこうが、それは神のなせる業なのでであり
もう止めることなんざおこがましくてできないというか
そんな境地に至っているような。
彼のプレーを今年も広島で見られることを、わしは誇りに思います。