伝説第2章開始

黒田選手残留(漢の選択)記者会見

私、黒田博樹は、FA権を行使せず、カープに残留します。
 
最後の最後まで色々なことを考え、昨晩決断しました。
自分にとって何が一番大事か?どういう野球人生を送りたいか?を考え、今まで育ててもらったカープで優勝することが、自分のこれからの野球人生の中で高いモチベーションになるのではないかと思いました。期限も迫っていたし、男として腹をくくって決めました。
(中略)
ファンのみなさんの10月14日、16日のあのスタンドを見て、その時は自分の中では判断材料のうちの1つという気持ちでしたが、結局最後になるとあれが一番自分の中で大きかったというのが正直な気持ちです。
  
そして最終的に僕が他球団のユニフォームを着て、広島市民球場カープファン、カープの選手を相手にボールを投げるのが自分の中で想像がつかなかった。
僕はカープに10年お世話になって、入団した頃にはここまでの投手になるとは誰も思っていなかったと思います。そんな僕をここまでの投手に育ててくれたのはカープ。そのチームを相手に僕が目一杯ボールを投げる自信が正直なかった。それはプロじゃないといわれればそうかもしれませんが、僕の気持ちはよそのユニフォームを着て、カープの選手に対してボールを投げる自信がなかった。それが今回の決断になりました。
 
改めて、ファンの方々の気持ちが残留を決めるのに一番大きかったです。来シーズンに期待できる最終戦広島市民球場でした。選手も変わらないといけないですが、来シーズンも最終戦のような応援を続けてもらって、ファンの方々と力を合わせて頑張りたいと思います。
僕は10年間カープにお世話になって、このチームで優勝したい!という気持ちが強いです。
それに向けて来シーズンはプレーオフもあるし、チャンスはある。
僕は今まで以上に自分自身にプレッシャーをかけながら、それだけではなく、チームのこと、特に若い投手にもアドバイスしていって、チーム一丸となってプレーオフに向かってやっていかないといけないと思います。
今まで以上に気を配らせてやっていこうと思います。

野球の神がシナリオを用意しているとしたら,
この瞬間,新庄から黒田に「愛すべき野球バカの魂」を伝承させたのではないだろうか。
  
人間ロケット・ブラウンの監督就任に端を発したカープのこの1年。野手陣では,福地・拓也・浅井との悲しき別れと引き換えに,井生の便利屋力,廣瀬の逆指名力,梵の僧侶力,吉田・松本の帝京力,そして東出の野球小僧力が次々と開花した。他方,バッテリーは伸び悩んだ。数の足らない先発陣において,黒田はたった一人で中4日で結果を出し続け,孤高の防御率1点台をマークした。それは苦しく,先の見えない日々だったであろう。
FA権を取得し,「選べる」側の人間となってはじめてカープを見たとき,新たな芽吹きを見せつつも伸び悩むチーム状態に思い悩むことも多かっただろう。その中で,このチームの将来性に価値を見出してくれたことがとても嬉しい。 
 
ありがとう黒田。
ここにブラウン政権1年目,伝説の序章はハッピーエンドで幕を下ろした。
来季は歓喜の第2章がわしらを待っている。
 
黒田はカープのために野球人生を賭けてくれることを誓った。それとともに,最終戦のような声援を送り続けることを,わしらに義務付けた。メッセージを送った者として,この黒田の「返事」は重い。
聖地から遠く離れ,少ない給料と残業の中でわしは何が出来るだろう。とりあえず息子用の新型装備を購入するとします*1

*1:カープ絵本,カープよだれ掛けについてはすでに散財