おおきく振りかぶって

おおきく振りかぶって (1)
これが噂の理論派やおい球漫画か!
 
作者は女子ソフト部出身で、筋金入りの高校野球ファンであることは間違いない。清く正しき高校野球の理想形を望むならば見逃せない一品だが、あまりに爽やかすぎて目が痛くなる。
親分肌の女性監督のもと、臆病過多なコントロール抜群少年と俺様キャッチャーが二人三脚で欠点を補い合い成長していく。ああ、なんてエロティック。
サンデーの「あおい坂」も有能な女性監督の率いるチームが主役の野球漫画だが、「おお振り」の監督が作者の感情移入対象であるのに対し、「あおい坂」の監督は見るからにサービス担当。
両者とも理論派野球まむがの皮をかぶりつつ特定読者層へのアピールが対照的なところが面白いなあと思いつつ、こんな一億総萌え時代に硬派な漢の野球漫画を主要誌で連載し続けるコージィ城倉と水島御大の偉大さには頭が下がりつつ、そんな帰省中の新幹線です。
 
筆者は野球漫画(の皮をかぶったものを含む)はたいがい好きですが、ジャンプのアレだけは勘弁してください。