第１回東京カープ会詳細

さてカープ会詳細です。
司会は二宮清純氏。川口和久氏、上田氏（講談社）、田辺一球氏（もとＲＣＣ）がパネリスト。会場には１０３人。
会は２部構成。途中でたる募金も行われ、１３万円が集められた。
アドリブでのクイズもあり、それぞれ川口氏のサインボールや、各氏の著書がプレゼントされた。
中国新聞の時永さんも来ていた。後日、報道があるでしょう。

（１）ファンの減少について

川口：ファンは試合ではなく、一人の選手を見に来る。営業面で、選手を売り出す努力をして欲しい。昔はサイン会もなかった。

一球：最近はようやく変わってきた。結局、球団の人手が足りない。

（２）市民球場の問題について

二宮：津田プレートを客に見える位置に。歴史と物語がカープには必要。ＯＢをもっと大事にしないと。

川口：市の公園だから、記念碑を置いたりできない。昔は車を公園の駐車場に泊めていたが、右翼の街宣車が来たりするのでそごうの駐車場に置くようになった。だからそごうで待ってれば選手に会えるよ。
　市民球場は８，９回が嫌いでした。風向きが変わって、ライトにこすったあたりがホームランになる。

二宮：レフトの西日避けボードは、ホームアドバンテージのために相手方の攻撃時には撤去するべきですね（笑）。

（３）カープの弱さについて
川口：古葉さんをヘッドコーチにしてほしい。少ない給料で支えてくれる裏方に気がまわる人だ。「耐えて勝つ」スタイルは阿南さん・山本さん（第一期）での優勝が証明している。もういちどその原点に立ち返って欲しい。打って勝つのは無理。

上田：（川口氏に）キャッチャーどうすればいい？

川口：どうすればいいんでしょうね（笑）。石原は進歩がない。アウトコース低目ばっかり。打撃技術が上がって、的を絞れば簡単にホームランされちゃうんだから、芯を外すためにはインコース高めをうまく使わないと。

二宮：石原君のリードは僕でもすべて読めるんだからプロが読めないわけがない（笑）

川口：今は投手がみんな大リーグにかぶれちゃって、チェンジアップとフォークばっかり。おかげでカーブを審判が見れない（審判の技術が低下している）。高目から低目へカーブ投げたら最後が低いので「ボール」。工藤さん（巨人）も苦労している。
（４）野手について

二宮：なんで嶋は今まで上に上がれなかったの？２軍選手に聞いたら「嶋さんは去年のほうが調子が良かった」とか言ってる（笑）

川口：詳しいことはいえないけど、パイプがなかった。中日は今年一軍登録が５０人で入れ替わりが激しかった。落合さんはキャンプでもベテランを大事にする。自分としては、もっとベテランを大事にしてほしい。カープが本来目指すべき野球。

上田：はっきりいって、中日の今年の優勝はフロック。優勝は来年以降と考えていた。英智を使い続けたのも、将来を見据えてやってる。カープのＯＢがかっさらわれてしまうのは悔しい。

川口：原伸樹は２軍の名調整役だった。調子が悪くても２軍で調整すればすぐ復活する。

二宮：いい人材はいるんですよねえ。

（５）誰に期待しているか？

一球：大竹。度胸がいい。成長期にある。148km/hのストレートは外角低目ばっかり投げてれば古田にもホームランを打たれるが、キャッチャーはど真ん中高めに投げさせてほしい。

川口：ピッチャーの一番いい球はど真ん中高めなんです。それで適当に散らばればいい。外角内角にこだわりすぎるのはダメ。

上田：私は金城すずのすけ。

二宮：金城はねえ、川口さんにぜひ預って欲しい。素材がまったく同じ。

川口：私は瀬戸です。（会場どよめく）瀬戸のリードはわけがわからない。マウンドで話してみても「僕なりに考えてこうしてます」といった調子。瀬戸は一軍バッテリコーチに任命されてかなり燃えてるようだ。ぜひ台頭して欲しい。そして、石原の保守的なリードを変えて欲しい。

二宮：私は河内。河内はストレートだけでいい。スライダーに頼りすぎ。ていうか投げるな。カーブ覚えろ。カーブとストレートで15勝はいける。

川口：スライダー投げられるのにカーブ投げられないってどういうこと。投げ方は(実演しつつ)似てるんだから。
　
ブルペンで川端が「○○がいけます」と言っても、北別府さんが「いや、俺は△△のほうがいいと思う」とか言って別の投手を出す。意見が通らない。

二宮：新コーチのアニヤさんは最高。もともと、シュートのアニヤ、カーブの外木場だったから、インコースを攻めさせるリードを伝授してくれるはず。石原は、朝まで飲まされるか殴られるでしょう。
（６）広島には人を見る目があるか？

上田：僕は山本浩二という人のうんぬんかんぬん・・・素晴らしい選手なんだけど、人を見る目はないと思う！！！（言っちゃったよ！）

二宮：栗原をなんですぐ下げたのか？

一球：栗原を下げた理由は「気迫が足りない」てことだったみたいだけど・・・

川口：福留は守備がとにかく下手だった。守備がうまくなったら、打撃もよくなった。結局はリズムなんですよ。シーツのエラーはグラウンドのせいです。

二宮：なんでシーツを出しちゃうんでしょうね。またザル内野に逆戻りですよ。東出のところに飛んだら目をつぶりますからね。それにしても、「シーツは守備力が落ちた」とか言ってる岡田監督はなにも見てませんね（笑）。

川口：ハード面をしっかりしていく必要があります。同じコンディションでやれるようにしないと。市民球場は、雨が降るとシートをかけるが、雨上がりでそこだけ硬くなってしまう。そしてエラーの原因になる。ちゃんと手入れをしてほしい。若手を育てるためにも。また、選手を支える裏方が充実してないのが怪我人多い理由の1つ。爆弾抱えつつプレイしてる選手は多いんだから、その辺りをしっかりサポートして。

一球：球団は今までなーんもやってこなかった。ていうかやらなくても何とかなってた。今回の球界再編騒動でやっと色々動き始めた。とのこと。が、何をやるにせよ球団職員が少ないわ年寄り多いわ電子化遅れてるわで大変。

（７）トレード・ドラフト
二宮：川相のおかげで、井端はバントがうまくなった。西山が巨人に行っちゃうと、丸裸になっちゃう。

川口：こんど、西山をまじえて『なんでお前が巨人やねんゴルフ大会』をやるので、そこで問いただしてくる（笑）。

一球：山口の津田、島根の大野、鳥取の川口、岡山の山根がいた８０年代のように
地元からいい選手が逃げないようになんとかできんもんか。

二宮：そこで田中（ＪＦＥ西日本）。コントロールのいい好投手。ありゃ来年１年で酷使されて潰されるんじゃないかと心配。

（８）サービスについて
川口：いろんな球場で試合を見てきたが、市民球場には他球場と違い子供がいない。中心地なのに。

参加者：飲み放題フェアは最悪。女性・子供が球場に寄り付かなくなる。昭和の発想。

一球：ジュニア、レディースに続いて65歳以上を対象のファンクラブの設立を考案中とのこと。サンフレッチェは平均1万4千人の観客を集めて子供も多い。サンフレッチェにできて何故カープにできないのか。と球団が言われた。とにかく割引サービスとかファンクラブとかに割く人員が足りないらしい。職員の給与は低くて、オフには実家のカキ養殖を手伝ってる人もいるとか。

参加者：たる募金のＤＮＡがない市長はダメ。

一球：広島市には全く危機感が無い。

二宮：ていうか市長はスポーツを愛していない。オーナーも、愛しているのは自分の立場。

（９）総括
二宮：はっきり言ってこれだけ集まるとは思わなかった。ただ、感情と、これからの計画とは別。「愛してる！こんなに愛してるのよ」。だったら、それで終わり。近鉄バファローズ、最後の試合、みんな泣いた。「こんなに愛してるのに私たち終わっちゃったのよ！」でも、それで物事なにも解決しません。だから今日、皆さんにお集まりいただいて、危機を共有できてるのか、そしてこれから新しいビジョン、建設的なことを考えなきゃいけない。経営の問題もそうだし、ドラフトの問題もそうだし、今日出たスカウトの問題。一つ一つを自分らで分析していって、科学的な根拠を元に。そして、理想的なことを言えば、市民球団に近づけるならば、やはり共同出資形式を用いなければいけないだろう。そしてやっぱり、グラウンド自体も書き換えなきゃいけない。巨人におんぶに抱っこでだめであるならば、新しい収益構造を考えなければいけない。そのためのアイディアを出し合って、それでお前、世の中動くのか？っていったら、動かないかもしれない。じゃあ、いきなり100m動かさなくても、今日1cmは動きましたよと。10cmでも大きい。それを僕は年に二回ぐらいやって、色々な意見を出し合って、より建設的な議論をしていく。これが私の趣旨。

一球：「たかが選手が」って一言で全てが変わった風に、小さいところからどんどん大きくなる流れを東京から作るし、広島からもそういう波は今起きてます。ですからここで選手に届かない、オーナーに届かないもどかしさもあると思いますけど、少しずつでもやっていくことが大事ですからね。僕も、広島に帰りますけども、皆さんの思いを少しずついろんなところで出していこうと思います。

ま、こんな調子で濃い２時間でした。さながら決起集会。
知識と危機感の共有ってのは重要ですね。ぜひぜひ、第２回、第３回と続けて
大きなムーブメントへとつなげていきたいものです。二宮氏よろしく頼んます！
そんでもって来季は瀬戸＆安仁屋コーチに注目しましょう。