電車男

ふと目にした評判の数々に、「電車男」を読みました。

漫画のような出会いに始まる青年の成長記録と推理小説的展開とをまじえた一大スペクタクルが、つい数ヶ月前の2chで繰り広げられていたとはもうびっくりだ。

読みはじめたとたんに電車男の爆撃が次々に着弾した。
わし自身の遥かな思い出とかコンプレックスとか告白前の心理状態とかに。

はじめて芽生えた己の野望を胸に、
そして独身男性(毒男)の希望と羨望を背に、
ハイスペックイケメンへの道をひた走る電車男
男はみな磨かれざる原石だった。と、何人かに勘違いさせるこのエネルギーはいったいどこから出てくるのだ。

あちこちでいわれてるように、
同じ心の根っこを持つ板住民との顔の見えない相互依存関係がこの物語のキモだと思う。
読んでいて本当に楽しかった。

何度も読み返したいお話です。