やきうエントロピー増大の法則


熱力学第二法則
エントロピー増大の法則をご存知でしょうか。
「閉じた空間においては、
秩序だった状態から無秩序へと物質の状態が進行し
いずれすべてのものが平衡状態に達してしまう」

というものです。
現代科学が到達した、唯一にして絶対の真理(竹内氏)です。

不可逆なエネルギーを急激に消費し、
使用不能な状態(平衡状態)においやってしまうことが
エントロピーの急速な増大」です。
現代の大量生産・大量消費社会は、まさにこの過程の中にあります。

人類が生き長らえるためには
エネルギーの消費をできるだけ抑えて、
エントロピーの増大を緩やかにする必要があります。
これを「低エントロピー状態」といいます。

プロ野球界はどうでしょうか。
一部球団は、「球団に入ることは夢、それを叶えるのが正義」という詭弁のもと、
前時代的な資本主義的正義を主張し、
大量の投資によって選手を根こそぎかっさらっています。
これにより、人的・物質的資源のエントロピーは急速に増大し、
各球団の経営を苦しめています。

その一例がFAによる年棒の高騰。
これは、アメリカ・メジャーリーグで先に問題化しました。
サラリーキャップ制による抑制も効果は少なく、
ついには海外に広く資源を求めだすありさまとなっています。

日本の人的資源は閉じた系です。
可逆ながらも再生産に時間がかかり、しかも全体量が減少しつつある資源です。
資金のある球団が人的資源の一極集中を進めることによって
さらにエントロピーの増大は速まっていきます。

この際限なき資源の搾取は
エネルギーが無尽蔵だと考えられていた
70年代のアメリカそのままではないですか!
いつか石油ショックが起こるぞ。

野球界の人的・物質的エネルギーの浪費は、
どのようにしたら抑えられるのでしょうか。

某球団の言う「夢」。それは金銭に直結するものばかりです。
消費されるしかないもの(=金銭)のみで
スポーツを評価することの危険性に、早く気づかなくてはなりません。